【明日方舟/アークナイツ】テラ世界の銃について考える
[おことわり]
このブログはネタバレを含みます。詰めが甘い箇所も見られます。
大丈夫な方だけ読み進めてください。
危機契約#1始まりましたね。
ブログを書き終える頃には騎兵と狩人復刻が終わっていました。ぜうぇです。
無事、前半で18等級行けて嬉しいです。
今回はアークナイツ世界線、テラ世界における銃についての話です。
ア ー ク ナ イ ツ の 銃 っ て 不 思 議 じ ゃ な い で す か ?
例えば、「銃は万人に扱えるものでは無い」とか「銃は発掘されたもの」とか「銃の威力はそこまで高くない」とか。あとは「銃操作にアーツが必要」とか。どこか僕らの世界の銃と違うのがこのテラ世界における銃です。
そもそもの話、銃より弓の方が重宝される世界というのが既に謎です。エルフの国かよ
もしかしたら銃がクソ高いから皆使ってないのかも?ドーベルマン教官が「銃と弾丸は高いからなぁ」的なことを言ってましたけど、そもそも死んだら終わりの戦場で、より強い(現実感覚)銃でなく弓を使うのはホークアイぐらいです。
ホークアイの戦闘マジカッコいいよね…矢じりがガシャガシャするの最高
当然ながら、テラ世界の住人はホークアイみたいな超人ではありません。じゃあ何故、銃を使わないのか。ていうかそもそも銃ってどんな構造してるの?なんで一部の人間しか使えないの?
今回は、そんな疑問を解決するべく「テラ世界の銃について」考えていきます。
ここが変だよテラ世界の銃器
さて、色々考える前に「何故、テラ世界の銃が変なのか」を改めて列挙してみます。
私が思いつく限りではこんなところが変です。
- 銃は発掘された
- 銃の操作には複雑なアーツ操作が必要
- 銃の威力はそこまで高くない
- 銃も弾丸も非常に高価である
- サンクタだけが銃を上手く扱える
まず、この世界における銃は「発掘」されたものです。イチから作ったものじゃなく。また、銃も弾も非常に高価です。ちなみにアメリカで一番安いハンドガンなら一万円前後、弾は一発数十円で買えます。とても教官がだんまりする金額には程遠いです。
また、「銃の操作にはアーツ操作を必要とする」という点も不思議です。そもそも銃というのは非常に簡単な構造の武器で、とても複雑な操作が必要な武器ではないのです。
その気になれば近所のホームセンターで銃を作る事も可能です(違法)
特に、「銃の威力がそこまで高くない」という点は特に不思議です。
これはエクシアのプロフィールからわかります。
あれですよ、銃って数百m離れた相手を蜂の巣にしたり、数km離れた敵をブッ倒したりできる武器ですよ。弓ってそれこそ飛んで200~300、まして正確に当てれる距離はそれ以下です。競技でも最長の長さで90mです。
でももしかしたら、本当に銃器と弓の威力は同じなのかもしれません。なのでまずは両者の威力比較をしてみます。
銃と弓どっちが強い
弾の威力というのは、弾丸の形状から衝突時のエネルギー、入射角など様々な要因で決定されます。そのために色々な評価方法があるのですが、今回は単純に、発射時のエネルギーだけで比較してみましょう。
さて、このエネルギーの計算には、仕事量J(ジュール)を用いるのが慣例です。
今回はそれに倣い、威力を計算していきましょう。
…といっても世界には色んな銃や弓がありますので、代表選手を決めて、それらを比較することにします。
さて銃の威力は、銃自体の構造と使用する弾丸に影響を受けます。ですが、今回は簡単に比較を行いたいので銃弾だけに注視して考えてみます。ガバとか言わない
ひとえに銃弾と言っても、それこそ対物ライフルに用いられる超巨大な弾丸から、こどものおもちゃサイズの弾丸まで色々あります。その中でも今回は比較的よく見る
を参考に持って来ましょう。選定の理由として広く世界中で使われてると(個人的に)思うのでこれらを選びました。僕はそこらへん詳しくない
ちなみに9mm口径はジェシカの使う銃のモデルでもある、ベレッタ92Fの使用弾丸でもあります。
次に弓とボウガンについても、決めていきましょう。
が、僕は弓に詳しくないですし、良い感じの文献も見当たらないので、今回は威力計算がしやすいボウガンから色々選択していきます。許せ。
ボウガンなら威力がカタログスペックでわかりますからね。
とりあえずシュバルツさんの使っているタイプとアズリウスが使っているようなピストルタイプのボウガンを、これまた適当に選んできます。
今回は以下の2つを選定しました。
TenPoint社製 NITRO X
Mangkung社製 ピストルクロスボー80A1
上の「NITRO X」はシュバルツさんの使う、「リバース型」というものらしいです。by wiki。ちなみに現在、日本で購入可能なものの中では一番威力が高いヤツです。
さて、登場選手も揃ったところで早速、威力計算に入りましょう。
計算式は以下です。
J=v^2×m÷2000
これを元に、弾丸の重量、初速度からジュールを導き出すと、このようになります。
弾丸の種類/ボウガンの種類と矢 | 重さ[g] | 初速度[m/s] | ジュール[J] |
9×19mmパラベラム弾 | 7.5 | 355 | 472.6 |
5.56×45mmNATO弾 | 4.54 | 960 |
2092.0 |
NITRO X/20インチカーボン矢 | 28 | 134.112 | 251.8 |
80A1/16cmABS矢 | 6 | 48.786 | 7.1 |
結果
先述の通り、威力は何も発射時のエネルギーだけで決まるわけではありません。
が、結果として、銃弾はボウガンの何倍以上もの威力を持っていることがわかります。
小型のハンドガン用の弾ですら、一番威力が高いボウガンの二倍近いエネルギーを持ち、ライフル用の弾に至っては、その8倍以上のエネルギーを持ちます。
追記するなら、銃は弓やボウガンと比べて発射速度が段違いです。その中には連続射撃できるものも存在します。その点から見ても、明らかに弓よりも銃の方が威力は上なのです。
となるとやっぱり「銃は明らかに弓より強い」のです。でもテラ世界では弓が使われるのです。なんで??????
もし、貴方が隠密作戦中なら弓矢は重宝するでしょう。でも世の中には弓より静かな武器って結構あるんですよ奥さん。もちろんメンテナンス性は弓の方が高そうです。でもそもそも敵が倒せなかったらメンテナンスもクソもないです。
じゃあなぜ、テラ世界では銃は「威力が特出していない」のでしょうか。考えられる理由は以下の二点です。
- 銃の威力がなんらかの原因により低い
- 弓の威力がなんらかの原因により高い
そもそもテラ世界の銃はアーツで動きます。現実とは違う構造のハズです。もしかしたらこれが原因で威力が低いのかもしれません。
無論構造的な問題も考えられます。「発掘」なんて言ってますから実は上手く扱えてないのかもしれません。
加えて弓が強い可能性も十分あり得ます。テラ世界の住人は、相当な筋力を持っているぽいので、人間では到底扱えないレベルの弓矢を使いこなせる可能性もあります。
では実際どうなのでしょう。詳しく見ていきます。
テラ世界の銃の威力は弱いのか
銃について考えるその前に、軽く銃の発射の仕組みについて触れていきましょう。弾が飛んでいくメカニズムは
①撃鉄が弾丸の発射薬を強打、発火する
②火薬が着火し、爆発を起こす
③生じた爆発による圧力で弾丸が加速される
④加速した弾丸が銃から発射される
この4ステップからなります。詳しい中身の説明とかは他のブログ記事なりを読みましょう。とりあえずこれさえ分かっておけばこのブログが読めます。
さて、銃の威力、銃弾の威力は、どれだけ弾丸を加速できたかが大事です。
早い加速度を与えれば当然威力は上昇しますし、低い加速度でも長時間加速させればその分威力は増大します。そしてこの加速度の良しあしに影響を与える二大ファクターが銃の構造と装薬です。
※装薬…弾丸の推進に用いられる火薬のこと
火薬の爆発力が大きければそれだけ加速度は増しますし、この時生じる圧力を上手く弾丸の加速に利用できればそのぶん高い加速度を得ることができます。
反対に、質の悪い火薬や量の少ない火薬を用いれば当然威力は低下しますし、内部で爆発時の圧力が漏れ出すようであれば、高い爆発力を持っていても、豆鉄砲しか撃てません。
となると、テラ世界の銃の威力が現実より低いと仮定した時、銃の構造もしくは装薬に問題があるはずです。
テラ世界の銃の構造
銃の構造的問題を考えるにはまず、テラ世界の銃器構造について考える必要があります。
この世界にはハンドガンから散弾銃、アサルトライフルからスナイパーライフルまで様々な種類の銃が普及しています。そしてそのどれもが過去にラテラーノの手によって発掘された(と言われている)銃でもあります。そして発掘された銃はコピーされ、流通しています。(エクシアのプロファイルより)
これらゲーム中に登場する銃は、そのどれもが現実の銃器と非常に似通ったデザインになっています。
例えばエクシアの所持する銃は、アメリカKriss社のクリスベクターに非常によく似ています。
さてここで疑問なのが「何故現実と同じ姿形なのか」という事です。
古今東西、SFを舞台にしたゲームの中に、現実の銃をモデルにした銃器は色々ありますが、それは一部であることが大半です。基本はオリジナルデザインの銃器が紛れています。特にアークナイツのような、独自の世界感を持つゲームではこの傾向が顕著にみられます。
それは何故かと言えば「デザインが合わない」というのもありますが、他に「未知の構造なので説得力がない」という側面があります。
例えばTFやAPEXでおなじみ、上記の武器「Lスター」は既存の実銃デザインと大きくかけ離れています。この武器は粒子加速によって生み出されたエネルギー弾を撃ちだす武器なのですが、それを説明するように中心部分には「加速してます」感のある意匠が施され、説得力のあるデザインになっています。
これに反して、アークナイツで出てくる銃器はそのどれもが実際に存在する銃器たちです。わざわざアーツなる「魔法」のようなテクノロジーを用いるのですから、別に現実に即したデザインじゃなくてもいいわけです。それこそアーツ使用に最適化されたデザインが作られてもいいはずです。ですが、実際に出てくるのはどれもが実際に存在するものです。
「なんで?」と考えた時、私はこれを「現実の銃と同じ構造を持っている」事の示唆なのでは?と考えました。
先述の通り、テラ世界の銃器が現実世界の銃器と異なる射撃方法を持つならば、その射撃に理想的な形状となり、その形状は私たちの想像する銃器とは違う物のはずです。
TFやAPEXで出てくるチャージライフル。荷電ビームを撃つ。
しかし、実際はテラ世界の銃器は現実の銃器とほぼ同じ外観を持ちます。これは暗に現実と同じ射撃構造だと示しているのだと私は考えます。
もし、テラ世界の銃が「アーツによって弾を引っ張って加速させる」仕組みだとしたら、きっと排莢は必要ないでしょうし、ブローバックもしませんからストック周りは不必要になるでしょう。となると全長が詰められますから、既存のデザインより短い銃が増えるはずです。でもそんな描写は見られません。
では、「アーツで小規模爆発を起こして加速させる」としましょう。使用者本人が爆発を起こすのですから、トリガー周辺は必要無いですね。グリップは安定に寄与するので残ると思われますが、恐らく縦の長さが短くなった銃が生まれるでしょう。でもそんな描写はありません。
他にも様々な内部機構が考えられますが、結局「それこのデザインでやらなくても良くね?」となってしまうのです。
「銃は宗教的なシンボルだから、形がこのまま」あり得る話です。「銃」が信仰のシンボルとなってるのですから、銃の形を無理にでも保つように作っている、一理あります。ですが、今となってはサンクタ族における信仰は薄れつつあるのが実情です。
その背景を踏まえると、わざわざ無理してこの形状を採用するか?と考えるとこの説は可能性が低そうです。
結局消去法ではありますが、テラ世界の銃構造は「現実とおおよそ同じ」と考えるのが良さそうです。ですが疑問はまだ残ります。
そう、「アーツはどこで使うのか」という問題です。
銃の構造が現実とおおよそ同じと考えると、その中身は様々な部品によって構成された「からくり」であり、アーツが入り込む隙間がありません。
勿論、内部に干渉することで作動性を上げたり、精度を良くしたりできるかもしれませんが、それらは補助的な役割です。「アーツが無いと射撃できない!」という状態にはならないはずです。
ではここである仮説を考えます。「装薬がアーツにしか反応しない」という仮説です。
銃の構造は様々ですが、主目的は装薬への着火と弾丸の加速です。
もし、弾丸の装薬がアーツにしか反応しない物質ならば、撃鉄が落ちようと、アーツが無ければ射撃できません。一見とってつけたような仮説ですが、ゲーム中にそれらしき言及が見られます。
イベント、戦地の逸話「射撃訓練」より。「撃鉄を活性化」という一文がある
撃鉄部分がアーツと反応する特殊な素材で作られ、かつ装薬もアーツにしか反応しない特殊な火薬が用いられると考えれば、説明に筋が通ります。
てかなんで普通の火薬使わねえの?という疑問は出ますが、この論ならばテラ世界銃の設定を崩す事は無さそうです。
ではテラ世界銃の内部構造が先述のものだとして、肝心の威力低下の原因を探っていきましょう。「銃の威力低下は内部構造によるものか?」という疑問です。
答えはNOです。確かに内部にアーツが干渉こそしていますが、基本的な動作は現実の銃と同じです。勿論銃を構成する部品の工作精度が高くないという説もあり得ますが、都市が丸ごと動くレベルの技術を持つテラ世界において、工作精度が低いというのは考えにくい話です。
となると「威力低下に対して構造的な問題は無い」と断言してもいいのではないでしょうか。
装薬を考える
構造に問題が無いなら、銃に用いられている装薬が怪しそうです。
先程「アーツにしか反応しない装薬が使われている」と考えました。
では、この火薬は何からできたものなのでしょう。火薬に用いれるほどエネルギーが高く、それでいてアーツによる干渉を大きく受ける物質……十中八九源石(オリジニウム)でしょう。
源石であれば、内部に十分なエネルギーを包含しますし、火薬としては理想的な物質です。なんならこの源石を火薬に加工した物質の存在はゲーム中で確認できます。
かませ犬その1。源石爆弾という名称から、源石を火薬にできることが確認できる
ドーベルマン教官の会話内容からもそれが確認できる。
これらの画像からも判断する、装薬として用いられているのは源石で間違いなさそうです。
さて装薬の中身もわかったところで最初の疑問点に戻ります。「威力低下は火薬が原因なのか?」という点です。
勿論の事ながら、源石がどれぐらいエネルギーを秘めているかどうかはわかりません。もしかしたら凄い威力が弱くて、爆弾ぐらいたくさん使わないと威力が出ないのかもしれません。
ここでキーになってくるのが星4狙撃、アンブリエルです。
彼女は銃を持つサンクタ人の中で、現状唯一スナイパーライフルを所持するキャラです。
さて、彼女の担当は所持する長銃による支援、援護射撃を担当とするオペレーターです。となると必然的に交戦地帯から離れた遠方からの狙撃が想定されます。
加えて彼女の武器はボルトアクション、連射性に劣る武器ですから敵に接近されたら大変です。なのでより遠距離からの攻撃となるでしょう。ですかr
rrrr(((
(
ーー自分用メモーーー
・交戦距離的に4~600mは離れるハズ!少なくとも3,400←これ証拠探してきて
・6~700mってこの銃の弾丸の有効射程だから、弾薬に問題なくない?
・↑完璧。天才。
・てかまってボウガンの飛距離的にそんなに離れる必要なくない??????
・いうて2~300mじゃない????てなると論証に使えなくない????
・↑君のようなカンのいいガキは嫌いだよ
………テラ世界の弾薬がある程度の威力を有する事はわかります。それこそ敵を倒すには十分な。ですが、それはあくまでボウガンと威力比較をした「相対的な威力」でしかないのです。「絶対的な威力」の指標、例えば「10mm鋼板を貫通した」とか「何m飛んだ」といった情報が現状無いのです。
こうなれば残る手段は「弓の威力が高いか否か」を調査するしかありません。そもそもの話、弓の威力が高ければ銃の威力について頭を悩ませなくともいいのです。
では早速考えてみましょう。
弓が強ければいいじゃない
さて、弓やボウガンの威力を上げるにはどうすればいいでしょうか。
そうです、より硬くしちゃえばいいんです。反発力が強いほど矢はより早く飛びます。
勿論それに比例して引くのに有する力は上がりますが、テラ世界の住人にとってはさほど問題ではありません。
例えばクマの特徴を受け継いでいるウルサスは、素の状態でかなりの身体能力を有します。元々お嬢様だったはずのロサは身の丈ほどの武器を平然と構えてますし、エフイータも相当な大きさの外骨格を装着して戦います。勿論鍛えているとはいえ、その力は相当なものです。
彼女らであれば現在流通してる弓よりはるかに硬い弓であろうと引けてしまうでしょう。仮にウルサスに限らずとも、力に秀でた種族は他にも存在します。
ではここでどれだけ威力が上昇すれば銃を超えられるか考えてみます。
計算式は冒頭の物を用いるとして、矢の威力が銃の威力を超えられる初速を計算すると、約386.56m/s、約3倍の初速が必要になります。上記のピストル型の初速が大きなボウガンの約三分の一であることを考えると、十分現実的な値です。
威力向上の手段はこれだけではありません。そうです、この世界にはアーツがあるのです。ゲーム内ではアーツによる武器の強化が様々な所で見受けられます。
プラチナのスキル2とか
アーツを使って弓やボウガンの発射時の速度を上昇させられるとすれば、恐ろしい事になります。ただでさえアサルトライフルと同等レベルの威力の弓がさらに強化されるのです。
仮に初速が100m/s上昇したとしましょう。その時の威力は実に約3500ジュール、有名な狙撃銃kar98kに用いられる7.92mm×57弾と同等レベルの威力になります。
もっと盛って、初速が三倍になったとしましょう。するとその威力は実に約21600ジュール。対物ライフルに用いられる12.7×99mm弾に相当する威力を有します。ちなみに人体に当たれば人体は両断されます。マジで。
流石に盛りすぎな気もしますが、自分の周囲の敵を凍結させたり、蒸発させたり、隕石降らせたりできるアーツが存在する世界線なので、十分にあり得そうです。
ゲーム中でもボウガンを用いた狙撃シーンとかありますし。
また、アーツによって矢自体に特殊な能力を持たせる事(誘導性能とか)も同様にあり得ます。他にも特殊な細工が施された矢じりを持つ矢、それこそメテオリーテの爆発矢だったり、アズリウスの毒矢だったり、そんな超絶厄介な矢がライフル弾レベルの速度で放たれるのです。ダメ押しに追尾機能も付けておきましょう。そりゃ強いわ。
そう考えると、この世界におけるボウガンやら弓が恐ろしい威力を持つことがわかります。確かに連射性こそ銃に劣りますが、ほぼ無反動、無音でライフル弾レベルの弓矢を撃ち、なおかつそのメンテナンス性も高いのです。しかも人によってはアホみたいな威力の弓矢を撃てます。
さてここで銃の装薬に話を戻しましょう。テラ世界における銃は「冷武器と比較して突出した威力は持たない」のでした。
これまでは「弓=弱い」と考えていました。だからこそ銃の威力が低い事が謎だったのです。ですが今ここに問題は解決されました。そう、「弓は強い」のです。それも異常なまでに。
結果として
- 銃の威力は弱い訳ではない
- 単純に弓の威力が尋常ではないだけ
という事がわかりました。
………ところで通常の火薬は、本当にこの世界に存在しないのでしょうか。
テラ世界と元素
もし、現実と同じ火薬があるなら、わざわざアーツなんか使わなくても済みます。それこそライフルといった超強力な兵器を誰でも扱う事ができます。
結論から言うと、存在します。なぜならこの世界には現実と同じ元素が存在するからです。同じ元素があるならば、同じ化合物を作れます。それは火薬も同じ事です。ではそれがどこからわかるか、見ていきます。
キーは皆がいつもカツアゲされている集めている昇進素材です。
昇進素材を見ると、「アケトン」「エステル」「アルコール」「糖」などの化合物の他に、マンガンなどの化学物質名が見られます。わざわざ、別物質にこんな名前は付けないでしょうし、ほぼ確で現実と同じ物質と考えてもいいでしょう。
また、こういった元素の存在はストーリーからもわかります
ニアールが「硫黄」と言っている。状況的にも現実と同じ硫黄を指していると考えられる。
ていうかそもそもサリアの用いるアーツは「カルシウム元素及び化合物の操作」です。
ほぼ確どころか「確実に」テラ世界の化学物質は現実と同じです。
現実と同じ化学物質があるという事は、火薬も存在し得るのです。
火薬も現実と同じってことは、現実と同じように銃が打てるんですね!やった!!!!!皆、ライフル持ってレユニオン殲滅しに行こうぜ!!!!!!
そうでした、この世界の銃はアーツで動いているのです。
しかし、妙です。火薬もあるし、銃もあるのにわざわざアーツを使った、七面倒臭く、それも汎用性の無い武器を何故使い続けるのでしょうか。
銃とサンクタ
歴史を紐解くと、銃を発見したのはサンクタ族でした。彼らは発掘した銃を調査研究した後、これをコピーし自らの武器としました。そしてサンクタ達は「守護銃」として銃を持つほどになりました。その研究は今も続き、どんどん新型銃器が製造されているらしき描写もあります。
アンブリエルのプロファイルより。「新型銃器を追い求める~」という文面から。
こうして銃の研究をしていくうちにサンクタ達は、銃の持つ絶大な威力に気づくはずです。それこそ才能や体格に関係なく、ある程度の訓練さえ受ければ数百メートル先の標的をやすやすと破壊しうる武器が銃なのです。弓矢がどれだけ強くとも、それは射手自身の能力や才能に大きく影響を受ける武器です。それと異なり銃は誰でもある程度の威力を有します。
そもそも、サンクタは他種族と異なり、基本的な身体能力の低い種族です。そんな彼らですから、弓を扱おうにもその威力は他種族に劣る事は想像に難くありません。加えて彼らのアーツ適正は基本「標準」。そう、アーツが猛威を振るうテラ世界において、アーツ面でも「弱い」部類に入るのです。
例えばサンクタ族の狙撃オペレーター、アドナキエルは腕力の不足を補うために、ボウガンに補助具を装着しています。
そんな彼らにとって、銃器とはまさしく天の贈り物です。
それこそ訓練は必要ですが、他種族との能力ギャップを埋めうるそんな武器なのです。(だから守護銃って名前なのかも)
ですが、それはあくまでサンクタのみが銃器に関する情報を握っていた場合の話です。銃器の関する情報が他種族陣営に知られてしまえば、その優位性は消え、寧ろその差が広がってしまう事が想定されます。
となると彼らの取る手段は、必然的に一つ、「情報の独占」です。
銃に関する情報が全く出てこないのはこの辺りが原因でしょう。きっと。多分ですけど、ラテラーノの抱える極秘情報の一部は銃関連の情報な気がします。
しかし、銃器に関する情報を独占しても、肝心の銃が鹵獲されてしまえば、情報を独占しても意味がありません。となると銃にも何かしらの「安全装置」を付ける必要があります。
自分達だけに都合が良くて、かつ他種族には都合が悪い安全装置、そう「アーツ式銃」の誕生です。
銃器をアーツで動くように改良し、かつ、サンクタ族だけが上手く扱えるように細工すれば、例え戦場で鹵獲されようと相手には使えない無用の長物と化します。
これが「何故アーツ式の銃を扱い続けるのか」という疑問に対する答えです。そうした安全装置をかけないと、危なっかしくてロクに運用もできない武器なのです。
ところで「そんな都合のいい細工存在しないだろ」と思うかもしれませんが、存在します。シェーシャのプロファイル第一資料にこの「細工」に関する記述が見つかります。
「源石機構は精密な改造により強化されており、アーツが不得意な人でも十分な威力を発揮できる」
このプロファイルからわかる情報として、「機構の細工次第ではアーツが不得意でも銃器が扱える」という事実がわかります。細工次第で扱えるのですから、扱えなくするのはもっと容易でしょう。
恐らく、サンクタ達のなかで出回っている銃器は、そのどれもがサンクタに都合のいいようにチューニングされているのでしょう。そりゃあ他種族に扱いにくいわけです。
他にも、シェーシャのプロファイルからは、他にも面白い情報がわかります。彼の第四資料を見ると
シェーシャとその兄は「工業的手法による源石武器の使用簡易化」のプロジェクトを、軍と政府の主導の下行っていたことがわかります。ここでいう源石武器とは、シェーシャの特技である「銃器改造」から考えるに、サンクタ族の使う銃器類でしょう。
恐らく、他国家でも似たような研究が行われている事は想像に難くありません。それほどに銃、というより熱兵器は強力なのです。
確かにアーツを用いた源石武器より扱いにくく、威力も劣るかもしれません。それでも、才能の如何に関係なく、ある程度の威力を有するのは非常に魅力的です。
現にBSWでは隊員の戦力を一定確保するためにわざわざハンドガンを武装としています。
熱兵器のより恐ろしい点は、更に大型の兵器を作る事が出来る点です。本文中で対物ライフルを紹介しましたが、世の中の機関銃と言われる銃は、そんな銃弾を一分に数百発も撃てる銃がごろごろ存在します。それこそ容易に戦場のパワーバランスを変えうるシロモノです。
もし、そんな兵器が開発されたら、資料でも危惧される通り、今後直面する戦争はより苛烈で過酷なものと化すのが容易に想像できます。銃弾とアーツの飛び交う、まごう事なき地獄へとなり果てるでしょう。
こうなればラテラーノのオペレーターから守護銃を分析させてもらい火薬を開発してアーツなんかじゃなく科学で敵を引き潰せ
— ☆*:.。. .。.:*☆ (@pilktea) 2021年5月27日
射撃訓練を積ませて人を撃ち殺せるモブオペレーターを投入するべき 剣でチクチクする時代は終わりだ、これからのアークナイツはきらめきと魔術的な美の失われた戦争にしちまえ
そんな惨状を回避するために、そして自分たちの種族の為に、サンクタ達は今日も秘密を守り続けるのです。
おわり。
おまけ
最後まで読んでいただきありがとうございました。
本文中で説明できなかった事柄をここに置いておきます。
・なぜ火薬はあるのに誰も銃を作らないのか
火薬の製法自体は非常に簡単で、それこそ6世紀からその存在が確認できるぐらい簡単に作れる物質なのに、何故誰も100%機械式の銃を開発しないのか。確かに威力は劣るかもしれないが、それでもそのポテンンシャルは十分に強力なはずなのに。
↑
次のブログで解決しました
・源石火薬の燃焼後ガスはどうするのか
火薬を燃やすと当然ながら、ガスが発生する。源石火薬も恐らくその例に漏れないはず。このガスは鉱石病を引き起こす要因とならないのか。考察に「最新の無煙火薬を利用する」とあったが、流石に専門外なので考察できてない。
・アーツ式の銃が火薬式の何倍も強力な説は?
これも考えたけど、火薬式の何倍も強力なのだとしたら、その威力は恐ろしいものになる。それこそ人体が爆発四散する。確かにテラ世界の住人は身体能力が上がってるけども、あくまで現実的なレベルのはず。戦車をも貫くレベルの銃弾を受けてまともなはずがないと思う。あと、そんなに強力ならみんな銃頑張って使うでしょ
・ハンドガンは簡単な構造じゃない問題
ハンドガンよりもボルトアクションやリボルバー銃の方が構造的には簡単なはず。なのにゲーム中では「ハンドガンみたいな構造の簡単なものしか扱えない」と言われている。なにゆえ。
おそらく、装薬量が関係していると思われるが、そこまで考察できなかった。
・銃を管理している団体について
それらしき記述を見たが、ゲーム中の設定に見つけることができなかった。誰か教えて。
・この世界の住人がクソ頑丈な件
F1カーの突撃に耐えたり、300m上空から無傷で飛び降りたり、ビルの崩落に耐えたりとこの世界の住人の防御力はなにかおかしい。アーツによるものなのか、それとも素の防御力なのか。そんな状態の人に銃弾は効くのかという問題。
アーツの干渉によって相手の防御を破れる…的な説明も考えたけど、あまりにも資料が少なすぎて断念。
2021/06/05
大幅に加筆&読みやすくしました。
「銃はラテラーノの宗教シンボルなので形が同じ」と指摘して下さった方、ありがとうございます。それも加筆しました。
参考文献